2019/2月10日 令和2年度税制改正大綱
昨年末に令和2年度税制改正大綱が公表されました。法人税、消費税につき、従前の取り扱いと異なる主な改正は次の通りです。
1、法人税
(1)連結納税制度からグループ通算制度へ(R4,4,1以後開始事業年度)
100%グループ全体を一つの納税単位とする連結納税制度に代えて、各社ごとの単体深刻としつつ、損益通算等の調整を行う仕組みとするグループ通算制度が導入されます。これにより事務作業の軽減等が図られます。
(2)グループ通算制度への移行に伴う単体納税制度の見直し(R4,4,1以後開始事業年度)
上記(1)のグループ通算制度への移行に伴い、下記制度の見直しが行われます。なお、グループ通算制度の適用の有無は関係なく、項目によっては100%ぐるーおぷ内の法人にも限られていませんので、全ての法人に影響を及ぼすことになります。
制度、項目 |
改正前 |
改正後 |
主な影響 |
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受取配当金の益金不算入制度 |
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関連法人株式等に 係る負債利子 控除額 |
原則法又は 簡便法 |
関連法人株式等に 係る配当金額の 4%相当額 (負債利子 額の10%を上限) |
計算の簡素化による 作業の軽減等 |
関連法人株式等 非支配目的株式 等の判定 |
各法人の保有 割合で判定 |
100%グループ内の 法人全体の保有割合 で判定 |
100%グループ内で 同一銘柄の株式等を 有する場合、株式区分の 変更に伴い損益不算入額の 増加の可能性 |
寄付金の損金不算入制度 |
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資本金基準 限度額の計算基礎 |
資本金等の額 | 資本金額と 資本準備金の 額の合計額 |
「資本金等の額」と 「資本金+資本準備金」の 額が異なる場合には、 損金算入限度額が 増加または減少 |
貸倒引当金の損金算入制度 |
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100%グループ内の 法人格の金銭債権 |
繰入対象 | 繰入対象外 | 繰入限度額の減少 |
資産の譲渡に係る特別控除制度 |
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特別控除限度額 ( 5,000万円) |
各法人ごと | 100%グループ内 | 特別控除限度額の減少 |
(3)大企業における税額控除制度の設備投資要件の厳格化
(R2,4,1以後開始事業年度)
①研究開発税制等⇒国内設備投資額>減価償却費×30%(改正前:10%)
②賃上げ投資促進税制⇒国内設備投資額>減価償却費×95%(改正前:⑨0%)
(4)中小企業等の少額減価償却資産に係る損金算入特例制度の要件の厳格化
(R2,4,1以後開始事業年度)
適用対象法人の従業員数要件が500人以下(改正前:1,000人以下)とされます。
2、消費税
(1)確定申告期限の延長(R3,3,31以後に終了する事業年度の末日の属する課税期間)
法人税の確定申告期間の延長の特例を受けており、税務署長に届出書を提出した場合には、消費税の確定申告期限を1か月延長することができます。