税理士法人 吉田会計事務所

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2022/05月10日 取引相場のない株式の評価について

 

 平成30年度税制改正により、30年1月1日からの相続等により習得する非上場株式について、納税猶予の特例措置が創設されました。この特例措置の適用のため、非上場株式の評価方法について確認してみたいと思います。

 同族法人の株式は、証券取引所に上場されていない株式になり、取引相場のない株式として評価通達によって評価することになります。

 非上場の株式を評価する場合、株式を取得した株主の発行会社に対する経営支配力の強弱よって支配力は異なり、支配力の強弱は、議決権割合で判断し、同族株主等に該当するか同族株主以外に該当するかを区分します。

 同族株主等が取得した株式は、「原則的評価方式」により評価することになり、同族株主等以外の者が取得した株式は、特例的な評価方式である「配当還元方式」により評価することになります。

 「原則的評価方式」により評価する場合、株式を発行している会社の事業規模に応じて、「大会社の株式」、「中会社の株式」、「小会社の株式」に区分して評価します。

 そして「大会社。「中会社」、「小会社」の区分は、納税時期の直前期末の総資産価額、課税時期の直前期末以前1年間の従業員数、取引金額を基として判定します。

大会社の株式の価額

 

 「類似業種比準価額」によって」評価します。」ただし納税義務者の選択により、1株当たりの純資産価額 (相続税評価額によって計算した金額) によって評価することが出来ます。

 類似業種比準価額は、事業内容の類似する業種の株価、1株当たりの年配当金額、1株当たりの年利益金額及び1株当たりの純資産価額を比準要素として求めた価額になります。

 

中会社の株式の価額

 

 次の算式により計算した金額によって評価します。ただし、納税義務者の選択により、算式中の類似業種比準価額を1株当たりの純資産価額 (相続税評価額によって計算した金額) によって計算することが出来ます。 (算式参照)

 

類似業種比準価額×L

 +1株当たりの純資産価額 (相続税評価額によって計算した金額) × (1-L)

 上の計算中の「L」は、「卸売業」、「小売・サービス業」、「卸売業、小売・サービス業以外」の業種別の総資産価額、従業員数、取引金額により、大会社に問い会場合は0.90、子会社に近い場合は0.60、その中間である場合は0.75となっています。

 

 小会社の株式の価額

 

 1株当たりの純資産価額 (相続税評価額によって計算した金額) によって評価します。ただし、納税義務者の選択により。併用方式のLを0.50として中会社の算式により計算した金額によって評価することが出来ます。

 

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