税理士法人 吉田会計事務所

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自筆証書遺言と公正証書遺言について

遺言とは、主に自分が亡くなった後の財産の承継について最終意思を示したものになります。遺言がなければ相続人による遺産分割協議が必要になりますが、遺産分割協議の成立には、相続人全員の合意が必要になりますので、1人でも納得しない人がいる場合は、遺産分割協議を成立させることができません。遺言を作成しておくことで、遺産分割協議が不要となりますので、相続争いを防ぐことが可能です。しかし、法定相続人には遺留分というものがあり、これを侵害するものについては、後に紛争の種となる可能性がありますので注意が必要です。

遺言は、民法所定の方式によらなければならず、例えば、口頭で行っても有効な遺言とはなりません。遺言には、普通方式遺言と特別方式遺言の2つの形式があります。普通方式遺言とは、通常の日常生活の中で作成される遺言で、「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3種類があります(民法967条)。特別方式遺言とは、普通方式遺言を作成することができないような特殊な状況下にあるときに利用できる形式の遺言で、「一般危急時遺言」、「難船危急時遺言」、「伝染病隔離者遺言」、「在船者遺言」の4種類があります。

なかでも、自筆証書遺言(民法968条)、公正証書遺言(民法969条)の利用が一般的ですので、確認してみましょう。

自筆証書遺言(民法第968条)

自筆証書遺言とは、遺言者がその全文、日付及び氏名を自書し、これに押印して作成する遺言方式です。平成31年1月13日以後は、財産目録について、自書しなくてもよくなり、パソコン等によって作成することが可能になりました。ただし、財産目録のすべてのページ(用紙の両面に記載する場合には、両面とも)に遺言者が署名と押印をする必要があります。

また、自筆証書遺言は、作成後に紛失したり、相続人によって隠匿若しくは変造されるおそれがありました。また、遺産分割終了後に自筆証書遺言が発見され、共同相続人間での紛争を生じさせる原因にもなり得ました。これらの自筆証書遺言の問題を防止するために、自筆証書遺言の保管制度が創設され、令和2年7月10日以降、法務局で自筆証書による遺言書の保管が可能になりました。遺言書の保管の申請等については、手数料がかかります。

なお、令和8年4月3日、政府は遺言のデジタル化などを盛り込んだ民法改正案を閣議決定しました。改正の内容は、デジタル技術を活用した新しい遺言方式である「保管証書遺言(いわゆるデジタル遺言)」の創設と、これまでの「自筆証書遺言」のルール緩和(押印の廃止など)になっています。

公正証書遺言(民法第969条)

公正証書遺言とは、公証人の関与のもとで作成する遺言方式です。

公正証書遺言の作成方法は、次のとおりです。

・証人2人以上の立ち会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授する

・公証人が遺言者の口述を筆記する

・公証人が、筆記を遺言者と証人に読み聞かせるか、閲覧させる

・遺言者と証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し印を押す(遺言者が署名できない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる)

・公証人が署名し、印を押す

※従来は、公正証書を作成するには公証役場へ出向く必要がありましたが、令和7年10月1日より手続きがデジタル化され、順次指定される指定公証人の役場において、メールを利用した嘱託やウェブ会議による公正証書作成も可能となりました。

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